苗刀試合審判規則

日本国と中国の親善、武術、武道文化交流の礎となる苗刀試合規則を紹介します。
苗刀試合規則では、日本剣道試合規則に加え、実戦で有効な袈裟切り、足切り、 突き倒しなどの技法を復活させ、日本剣道における競技の発展、新たな展開のための一つの可能性を提唱しています。
なお苗刀とは、古くは漢代までルーツを辿ることが可能である日中両国の重要文化財です (馬明達歴史学教授…黄林彪伝、謝徳恒伝、両苗刀継承人。馬家武術全伝継承人――論文参照)

中国伝統武術「苗刀」試合審判規則(日中武術武道文化交流の礎)
著作:歴代日中剣道連盟
代表:野上小達出版物

競技名「苗刀」試合審判規則編集委員会
 委員長:野上小達
 委員:堀礼一郎
 委員:川畑幸喜
 委員:石戸谷重之
 委員:田口克郎
 委員:宍野寛


競技名「苗刀」 歴代日中剣道連盟

苗刀競技は、面、胴、小手、すね当てを着用し竹刀を用いて一対一で打突しあう運動競技種目であり、稽古を続けることによって心身を鍛練し人間形成を目指す「武術・武道」です。

試合は、本連盟が定めた試合・審判規則に基づき有効打突*を競うものです。

◆試合場
1.「擂台」(「らいだい」と読む)形式とする。
 *擂台とは円形場の台を指す。
2.擂台の仕様は以下のとおりとする。
 ・円形
 ・直径:9メートル
 ・高さ:30センチメートル
 ・円の中心から仕切線までの距離:1.5m(東西を結ぶ線上に描く)【もしくは2倍の3mの距離】

擂台イメージ図
擂台イメージ図(主審:一人、副審:二人)

◆試合形式と試合時間
1.ラウンド制とする。
2.2ラウンド行う。1ラウンドは2分とする。
3.ラウンド間の休憩は1分とする。
4.試合途中にタイムがあった場合は試合時間の計測を一時中断する。
  試合再開後に続きを計測する。
5.引き分けはなしとする。
 2ラウンド内に勝ちが決定しないときは「サドンデス」方式で勝ちを決定する。
 サドンデスの場合、休憩はなしとする。
 注:サドンデスの状況では試合時間無制限であり1本を先取した方が勝ちとなる。

試合イメージ
苗刀試合イメージ図

◆試合の開始と終了
1.試合の開始と終了は審判の指示に従う。
  注:試合の運営はすべて審判に従う。
2.試合途中に、体調不良、負傷などの理由によりタイムをかけることができる。
  注:タイムの時間は最大3分までとする。
  タイムをかけた方は3分以内に試合を続行するかどうかを判断する。

◆道具
1. 防具は日本剣道連盟が定めた規定を満たすものとする。
  【参照】「剣道試合審判細則規則 第3条」
 注:防具には以下のものがある。
  ・すね当て(なぎなたの競技で使用するもの)
  ・胴
  ・面
  ・小手
2. 竹刀は日本剣道連盟が定めた以下の規定を満たすものとする。
  【参照】「剣道試合審判細則規則 第2条」
3. 上着と下着についてはルールを設けない。
  注:安全面を考慮して長袖と長ズボンを着ることを堆奨する。
4. 靴についてはルールを設けない。裸足も可能とする。
  注:靴の形状から察して、当たったときに負傷する確度が高いことが明らかなときは、その使用を禁止する。


全日本剣道連盟の認定防具(面・胴・小手・垂)、全日本なぎなた連盟の認定防具(すね当て)
全日本剣道連盟の認定防具(面・胴・小手・垂)、全日本なぎなた連盟の認定防具(すね当て)

◆勝敗の決定
1. 2ラウンド内に2本先取した方を勝ちとする。
2. 2ラウンド内に1本しかとれず、そのまま試合時間を終了したときは1本を取った方を勝ちとする。
3.対手が戦意を喪失し棄権を申し出たときは本数にかかわらず勝ちとなる。
4.対手が戦意を喪失していなくても体調不良、負傷の状態が明らかなときは即、審判が試合終了を宣言し、本数にかかわらず勝ちとなる。

◆1本の取り方
1.対手に「有効打突」を与えたと審判に認められたときに1本を取れる。
  注:有効打突とは竹刀の打突部で打突部位を正確に打突したものを指す。
    打突にある程度の威力があったと審判に認められなければならない。
    竹刀の打突部とは手元の反対側の物打ちを中心とした刃部を指す。
 打突部位とは、以下の部位を指す。
 ・面部(正面、右面、左面)
 ・頸部(正面、右側、左側)
 ・小手部(360度)
 ・胴部(正面、右側、左側)
 ・脛部(正面、右側、左側)

袈裟切り・すね切り
(左図)袈裟切り (右図)すね切り

2.擂台 から対手を落とすと1本を取れる。
3.相打ちは相殺されるため1本を取れない。
4.禁止行為が2回為されたときに、禁止行為を被った方に1本を与える。

◆禁止行為
1.防具を装着していない部位への打突
2.殴打、(対手の身体や防具、竹刀などへの)掴み、抱え込み
 注:体当たり、蹴り、足払いの使用は可能とする。
  またそれらの打突部位は、竹刀による打突部位と同じくする。
  ただし、使用目的は、1本を取るために対手の体制を崩すことである。
  蹴りなど、その行為により対手に直接的な損害を与えることを目的としてはならない。   なお、体当たり、蹴り、足払いをかけられた方は、竹刀でそれらの攻撃を抑止することを可能とする。
  抑止する場合、偶然に防具が装着されていない部位を打突することがあっても禁止行為とみなされない。
3.「ちょっと疲れたから」など自分中心的な理由による試合途中のタイム
4.鍔迫り合いなど互いに接近した状態でつばを吐きかけるなどの不適切な行為
5.審判に対する不服申し立て

◆その他の留意事項
1.竹刀を2本使用することは認めない。
 *1本を片手で使用することは可能

以上

普及訓練技術

結び太刀より陰陽足による素振りおよび組型(双人練)
受け手、攻め手による組型

単人練 下段切り    
中段突き    
上段袈裟切り    
受け返し    
双人練   攻め手 受け手
下段切り 下段切り 下段払い
中段突き 中段突き  中段払い
上段袈裟切り 上段袈裟切り 上段払い
受け返し 中段突き  中段よりの受け返し
接剣からの受け返し    

間境の定義: 太刀をとって敵に向かい合う時の間合いの距離より自分の身が当たる一線を間境とする。
圏内:間境を越えた状態
間積もり:間境を読む技術